BLUE DROP 13話(最終話)

非常によくできた作品。
回想で始まって回想で結ぶ形式。女学生時代を描いて終わらず、その精神が今に生きていることを深く実感させる構成。
劇中劇を効果的に活用している。クライマックスシーンを効果的に盛り上げてそこで終わらせずに未来に生き抜くメッセージに昇華させている。
妥協を許さない敵対的関係での邂逅とそれを乗り越えずにはいれれない人間の本来の感情の起伏を描いてしかも、どちらを幸せになりましたといった無害なファンタジーに流れない。
授業で上田秋成の雨月物語「菊花の約」を朗読させその後の二人の関係を暗示させたりと芸が細かい。
主人公二人の交流を副官ツバエルの感情の変化でいっそう効果的に描くなど、いちいち上げるときりがないが、よく作りこまれていると思う。
もう少し頑張っていたらもっといい作品になったのではないか。